転職理由の第一位は「人間関係」
転職件数はここ数年で激増しており転職エージェントを利用する割合も年々増えてきています。
そんな転職経験者たちを対象に転職したいと思った理由について尋ねたアンケート調査によると、本音理由の第一位として挙げられるのが「人間関係」です。
転職理由は新たに就職活動をするときに面接で回答する表向きのものと、自分の心の中だけにある本音の部分とが分かれているということがよくあります。
新しく就職活動をするときに転職したいと思った理由に「人間関係が悪かった」と答えると、面接官に「協調性がない人なんじゃないだろうか?」といった不安を植え付けてしまうことになるため、よほどのことでもない限りははっきりそういうことはないでしょう。
ですが給与や待遇よりもその場所が自分にとって働きやすいところであるかを感じる要因となるのは「人間関係」です。
特に自分と直接関わりのある上司との関係はその仕事を長く続けていくことができるかどうかの重要な分岐点となるため、自分の中でどう折り合いをつけていくかということは非常に重要です。
運良く自分と考え方が合っており、かつ公平で理解力のある人が上司になってくれればよいのですが、こればかりは自分で選ぶことはできません。
もしどうしても上司と相性が合わないという時には、どんなふうな気持ちで仕事をしていくべきかということを自分なりにしっかりと立てなおしていくことが求められます。
苦手な上司は大きく2つのタイプに分かれる
部下から苦手意識を持たれる上司のタイプは大きく二種類に分かれます。
一つは上司としての責任をとろうとしない「無責任タイプ」、もう一つが業務やプライベートにいちいち細かい指示をしてくる「過干渉タイプ」です。
「無責任タイプ」は上司であるにもかかわらず明確な指示や指導をせず、それでいて部下のミスや業績の悪さについて文句を言うといったところに特徴があります。
部下としてははっきりした指示がないので自分でどこまで動いてよいかわからなかったり、上司として承認を得る必要のある業務を円滑に行うことができなかったりとかなり迷惑な存在になります。
無責任タイプも細かく分けると二種類あり、一つは完全に指示や指導をしない責任逃れだけをしているタイプで、もう一つが自分で判断するのを嫌がるあまりさらに上司となる人の顔色ばかりをうかがってコロコロ指示や方針を変えるというタイプになります。
部下の中でも真面目で仕事ができる人ほどこうした自分を持たない無責任上司にイライラを感じやすくなるでしょう。
もう一つの苦手上司のタイプが「過干渉タイプ」ですが、これは自分自身が若い頃に高い評価を得てきたという人によくみられます。
部下に対して自分のやり方をおしつけてきたり、自分が理解できない方法で仕事をしようとする部下を無能扱いしたりというこれもまた面倒な存在です。
パワハラ上司やセクハラ上司もこれにあたり、部下の全てを自分が把握していないと気がすまないというところが問題の根になってきます。
気の合わない上司はそれと割りきってしまう
苦手なタイプの上司と一緒に仕事をしていかないといけないという時にまず意識したいのが、「上司には何も期待しない」という考えです。
特に若い人ほど、年上や上役である人には敬意を払い自分を導いてほしいという思いを持つものですが、そもそもそうした問題のある上司にそれを求めてもムダというものです。
無理やり探すことでよいところを見つけることもできるのでしょうが、一緒に仕事をしていくということで考えれば、むしろ「そういう人なんだな」とバッサリ切ってしまうほうがずっと精神的に楽になります。
大事なのはその合わない上司に対し、どう自分のやりやすい仕事をしていくかということを考えることです。
承認が遅いのがわかっている上司なら、先にそれが必要な時間を一緒に告げたり、場合によってはその上司を介せずに承認できるように提案をしていくなどの対策がとれます。
また本当にどうしても仕事に支障があるなら、異動願を出したりして他の人に助けを求めるということも最終手段として有効です。